ツール・ド・フランス第6ステージはジローナからバルセロナまでの181.5km。今年唯一のスペイン国内だけで行われるツール・ド・フランスである。
ゴールはあのバルセロナオリンピックでマラソンランナーが苦しんだモンジュイックの丘を登り切ったところ。きっと通常のスプリントにはならない、のか?
ツール・ド・フランスでバルセロナ、と言えば、どうしてもカザルデッリを思い出してしまう。1995年のツール、ピレネーでの下りで、高速で通過するバイクカメラが一瞬とらえた、大量に出血し倒れているカザルデッリの姿、気分が悪くなりそうな思いと共にわすれられない。
確かそのステージ、ヴィランクが勝ったのだけど。カザルデッリはヘリで病院に運ばれるもすでに昏睡状態で、ほどなく死亡が確認された、と記憶している。
次のステージ、キャンセルとなってひたすらパレード走行、最後はモトローラの選手たちが並んでカザルデッリを追悼しながらゴールしたのは忘れられない。
そしてその後のステージ、ポーのゴールでカザルデッリを追悼するように優勝したアームストロングが翌年ガンで生死の間をさまようことになり、そのアームストロングが復活してツール7連覇、引退して、3年、今年また復活している。
そんなこともあった。そして、あれからずいぶん時間が経ったものである…
今日のステージはやはり最後のモンジュイックの丘が勝負となった。
前半から逃げていたシャバネル(クイックステップ)、オジェ(コフィディス)、ミラー(ガーミン)にチュルカ(エウスカルテル)が追いついて4人の集団で逃げていたのだが、最後の4級山岳の山頂手前でミラーがアタック。他の3選手を完全に置き去りにして単独の逃げとなる。
この時点で1分を切る差にせまっていたメイン集団だが、このミラーの逃げには手を焼いた。何しろ過去のタイムトライアルの世界チャンピオン。逃げ出したら大変である。
このままミラーはバルセロナの街に入る。後続の集団では、降りしきる雨の影響で次々と落車、ボーネン(クイックステップ)や新城(BBOXブイグテレコム)らも落車で取り残された。しかし、そこまでして追う集団もなかなかミラーに追いつくことが出来ない。
そしていよいよ最後、モンジュイックのゴールへの登りに入る。
登りに入って、さすがのミラーも減速、そのうしろから来た集団に飲み込まれてしまった。やはりこの坂は最後、逃げ切るには難しかったようだ。
先頭集団はマルティン(チーム・コロンビア)が先頭を引いてカヴェンディッシュのスプリントへとつなげようとするが、集団の右からニバリ(リクイガス)がペッリゾッティ(リクイガス)を引き連れて前にでる。ペッリゾッティも登りのスプリントは得意。そして集団の左からはR.フェイユー(アグリチュベル)が加速。一気に先頭に躍り出る。
そのR.フェイユーにつられて前に出てしまったのは、スペイン人としてバルセロナゴールを制したいフレイレ(ラボバンク)。しかし、タイミングが早すぎた。フェイユーを追い抜いたところで、まだ早いと、回りを見る。
その時集団の左からアタックをかけたのはイタリアナショナルチャンピオンのポッツァート(カチューシャ)。その後ろからロハス(ケースデパーニュ)、そしてフレイレがロハスの後ろにつき、さらにその後ろにフースホフト(サーヴェロ)。
残りわずか、そして登りのせいもあってかポッツァートのスピードがあがらない。そのポッツァートの右からロハス、その右からフレイレ、さらにその右からフースホフトが最後のスプリント。
フレイレ、必死に逃げ切ろうとするが、今日のフースホフトは強かった。フレイレの前に出てそのままゴール。両手をあげて勝利を喜び、その両手でスポンサーロゴを指さしてアピール。フースホフト、今年のツール初勝利を飾った。まさにトル神復活、ですな♪
2位のフレイレはがっくりしたままゴール、そして3位にはロハスが入った。
日本人選手は終盤の落車に巻き込まれたこともあって、大きく遅れてゴール。新城は6分55秒遅れの149位、別府は10分14秒遅れの173位だった。
総合争いは上位の選手にはあまり影響がなく、総合リーダーはカンチェラーラ(チーム・サクソバンク)、2位に0秒差でアームストロング(アスタナ)、3位に19秒差でコンタドール(アスタナ)。
総合スプリント賞はカヴェンディッシュが死守。ただし、2位のフースホフトとは1ポイント差。総合山岳賞は今日逃げたオジェが逃げを評価されるようにジャージをゲット。総合新人賞はマルティンがキープした。
ちなみに新城は13分44秒遅れの総合152位、別府は17分49秒遅れの166位。
それにしても、きっと最後のモンジュイックの丘でステージ争いが厳しくなるとは思っていたのだけど、フースホフト、フレイレを押さえての見事な勝利でした。
日本人選手が活躍できなかったのは残念だけど、落車に巻き込まれていなかったとしても、おそらく彼らのステージではない、とい宇事になっていたので、それはそれでいいか、と。新城選手と別府選手には、次の平坦ステージで活躍してくれたら、ほんとにうれしいことです。
一方ツール・ド・フランスの方は、明日はいよいよ今年最初の山頂ゴール。果たしてアンドーラの山頂ゴールを制するのは誰なのか。そして総合成績はどうなっていくのか…
楽しみです♪



