ツール・ド・フランス第8ステージは、ピレネー2日目、アンドラ・ラ・ヴィエイユからサン・ジロンまでの176.5km。
まず1級山岳のエンヴァリラ峠を越えて一旦下った後、再び2級山岳のコル・ド・ポールと1級山岳のコル・ダニェスを越えて、最後は下ってサン・ジロンの街にゴールするコース。
最後は下りとはいえ、山岳が厳しいだけに総合に影響する争いが起きそうな気配があったのだが…
今日のレースは序盤から激しく動いた。最初の1級への登りで総合争いに加わるべきエヴァンス(サイレンス・ロット)やA.シュレック(チーム・サクソバンク)らが先頭集団で逃げるという状態もあった。
そんな中で今日のステージで終始先頭集団に居続けたのは、カザル(フランセーズデジュ)。
最初の1級山岳への登りを先頭で通過し、下りでもエヴァンスらのいる追走集団を引き離す。途中、追走集団からは50秒、メイン集団に対しては2分近くも差を広げて単独で逃げていたが、チームの指令だったのか、エヴァンスのいる追走集団に戻る。
そのエヴァンスらの追走集団が捕まって、その直後に10人ほどの集団が出来るが、カザルはその集団にも入って再び逃げを開始。
この10人の集団は逃げ続けてそのまま最後の山岳ポイントのコル・ダニェスへ。
この登りで先頭集団は徐々に人数を減らしていく。カザルもなんどか遅れるが、その都度必死に先頭集団に復帰する。またしばらくするとずるずると遅れていく…、というのを何度繰り返しただろう。
でもへろへろになりながらも必死に追いつくカザルの健闘はすばらしかった。
コル・ダニェスの山頂はアスタルロサ(エウスカルテル)、サンチェス(ケースデパーニュ)、そしてエフィムキン(AG2R)30秒ほど遅れてカザル、さらに2分10秒遅れでメイン集団が通過して行く。
この山頂での30秒差を、カザルは下りで追い上げる。先頭集団のサンチェスは下りのスペシャリストとして有名なのだけど、そのサンチェスのいる集団に下りの途中で合流。また、ここで先頭集団に戻った。
一方メイン集団は、途中マイヨジョーヌのノチェンティーニ(AG2R)が遅れる場面もあったが、今、まだマイヨジョーヌを取りたくないアスタナの選手たちが、わざわざノチェンティーニの集団のところまで遅れて追いつかせ、後は余裕でメイン集団をコントロール。途中でA.シュレックがアタックするシーンもあったが、それらの攻撃もアスタナの選手たちは落ち着いてカバーする。
このままメイン集団はサンチェスから2分10秒遅れで山頂を通過する。
この後下り基調のルートを通ってゴール地点のサン・ジロンに。
4人の中でエフィムキンは、メイン集団に総合リーダーのノチェンティーニがいると言うことで引かない。3人のローテーションで残り5kmに到達。
ここでアスタルロサがアタック。このアタックは決まらず。続けざまに今度はエフィムキンがアタックをかける。このアタックは強烈で、エフィムキンと残り3人との差が開き、残り1kmを切っても差は保たれたまま、ゴール前へ。
残り数百メートルになって、サンチェスがようやく追走。その後ろにカザルが着く。カザルがサンチェスのスリップストリームに入った状態になった。
残り200mほど、サンチェス、カザルはようやくエフィムキンに追いつき、右から追い抜いていく。と思ったら、カザルがサンチェスのさらに右からアタック。必死で逃げる。
しかし、サンチェスの頭の中にはこのアタックは織り込み済み。カザルはずっと先頭を走り続けて疲れた、というのもあるのだろう。
逆にカザルのスリップストリームに入ったサンチェス、タイミングを伺う。100mを切ってサンチェス、逆にカザルの右に出て、カザルを追い抜かす。カザル、逃げ続けたのだが、ここで力つきた。
そのままサンチェス、ゴールラインを通過。両手の人差し指をたてて天を差し、自分の胸を指さしてゴール。去年に続いて2回目のツール・ド・フランスのステージ優勝だ。
ステージ2位は健闘及ばなかったカザル、そして3位にはアスタルロサ。
総合成績は、結局上位は変わらず。
総合リーダーはノチェンティーニ、2位のコンタドールが6秒差、そして3位のアームストロングは8秒差、ときわどい差のままである。
総合山岳賞は2人連続山岳ステージで逃げたケルヌ(コフィディス)が、総合スプリント賞はフースホフト(サーヴェロ)が獲得。
総合新人賞はマルティン(チーム・コロンビア)が今日もジャージをキープした。
なお、日本人選手の成績は、別府(スキル・シマノ)が23分2秒遅れの125位。総合でも58分41秒遅れの154位。
また新城(BBOXブイグテレコム)も別府と同じグルペット集団でゴール。総合は23秒2秒遅れの146位となっている。
まあ、2人とも平地系ですから…
それにしても、序盤から激しい展開がずっと続くステージでした。
しかし、アスタナは凄かったです。登りでは完全に集団をコントロール。
途中、ノチェンティーニがメイン集団から遅れた時に、スピードを落としてメイン集団に引き戻す、なんてシーンもありました。
そして明日のステージはピレネー最終日。かのアスパン峠とツールマレーを越えて行く厳しいステージ。
休息日前ということもあって、明日も激しいレースになりそうです。



